導入のメリット
企業型年金の導入にあたっては、「経営上の影響」と「従業員にとっての効果」の両面からの検討が必要となります。
確定拠出年金の主な導入効果
企業にとってのメリット
- 掛金の追加負担のリスクが生じません
確定給付型の企業年金制度と異なり、将来の運用状況等による掛金の追加負担が発生しません。
- 退職給付債務の対象となりません
退職給付債務の対象とならないため、債務計算は不要となり、経営(バランスシート)における債務の変動リスクを軽減できます。
- 拠出金はすべて損金扱いとなります
企業が負担する拠出金は、全額損金に算入できます。
- 福利厚生制度を充実することができます
確定拠出年金は時代に合った制度であり、福利厚生の充実は人材の確保にもつながります。
企業の留意点
企業は、制度に加入する従業員に対して加入者教育を行う必要があります。
加入者(従業員)にとってのメリット
- 年金資産が加入者(従業員)ごとに把握できます
加入者(従業員)ごとに年金資産が明確になるため、個人のライフプランが立てやすくなります。
- 年金資産の持ち運びが可能です
「ポータビリティ」という特徴があるため、転職・退職した場合に積み立てた年金資産を次の確定拠出年金へ持ち運ぶことができます。
- 税制面での優遇が受けられます
毎月の掛金は給与と見なされず、所得税がかかりません。また、運用益にも課税されません*。
給付金には、公的年金等控除や退職所得控除が適用されます。
- 年金資産には特別法人税が課税されることとなっていますが、現在凍結中です。
従業員の留意点
- 給付金は加入者(従業員)の運用成果によって決まります。
- 原則として60歳までは中途引き出しができません。
なお、加入している企業型年金で資格喪失年齢を引き上げている場合は、当該年齢までは資産の引き出しはできません。